共生社会とSDGsの実現を目指す本区においては、コロナ禍の影響はもとより、人口分布や流動実態の変化、高齢化の進展、環境への意識の高まり、技術の進化等の社会情勢を的確に捉えて、限られた資源の中で人々の移動を支える公共交通をいかに総合的に充実させることができるかが、一層求められています。
本計画は、区内の公共交通に関する現状と課題及び目標について具体的に示すとともに、区民・利用者、交通事業者、道路管理者公安委員会等の公共交通に係る多様な主体が参加・連携して、持続可能な公共交通の実現を目指すための共有ビジョンとして、令和3年3月31日に策定しました。
江戸川区(人口約70万人、総面積49.09km2)は、東京都の 東部に位置しており、公共交通網は、主に東西方向に5本の 鉄道路線と3事業者による路線バスにより構成されています。 本区には南北方向の鉄道路線がないことから、区を縦断する環状七号線方向の交通課題の 解決に向けて、平成6年度から関係区とともに「メトロセブン構想」に取り組んできており、 平成28 年度にはメトロセブンとエイトライナーからなる区部周辺部環状公共交通が、「地域 の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」として交通政策審議会答申 第198号に位置付けられました。 本区を含む関係9区及び東京都は、
区部周辺部環状公共交通の実現を目指して一体となり 活動を継続しているところですが、実現に向けての課題は大きく、引き続き中長期的な調査・ 検討を行っていくことが求められています。
そこで本区は、南北交通改善に向けた短期的な取組として、平成19年度に「江戸川区地域 公共交通総合連携計画」の策定、並びに、環状七号線を高い速達性で運行するシャトルバス (シャトル☆セブン)の導入を行うなど、南北交通の利便増進に取り組んできました。
現在、シャトル☆セブンは一般路線バスとして運行されており、需要の成長に伴いダイヤ 改正や増便も繰り返されてきましたが、運転者不足問題や駅前広場のスペース不足といった課題から、需要の更なる伸びに追従することが適わず飽和状態が続いていました。
このほか、公共交通に関しては、鉄道駅周辺の拠点整備によって生じる交通需要増や都市計画道路の整備進展、新庁舎移転に伴う流動傾向の変化、さらには熟年者の移動ニーズなど、 将来にわたって公共交通を維持するとともにその利便増進を図るため、総合的な検討が必要な状況となっています。
共生社会とSDGsの実現を目指す本区においては、人口分布や 流動実態の変化、高齢化の進展、環境への意識の高まり、技術の進化等の社会情勢を的確に 捉えて、限られた資源の中で人々の移動を支える公共交通をいかに総合的に充実させることができるかが、今後一層求められます。
こうしたことから、本区は、区民・利用者、交通事業者、道路管理者、公安委員会等の関係 機関からなる多様な主体とともに、持続可能な公共交通の実現を目指します。
バス事業者は、これまで、ノンステップバスの導入、車いすスペースの改善、音声案内の 工夫を始め、バス車両のバリアフリー化を推進してきています。 さらに、バス待ち環境向上のために、上屋、ベンチ、手すり、接近表示装置、音声誘導装置 やデジタルサイネージの設置なども推進しています。 このように、バス事業者の努力並びに道路管理者、交通管理者等の協力により、バス交通 に関する安全性・バリアフリー・利便性の向上が進んでいます。
また、令和2年に「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年 法律第九十一号)」が改正され、更なるバリアフリー化の推進が求められています。